2023.8.20

「再開発は公共事業でもなんでもない」 という とんでもないお話
令和4年10月31日午前10時、品川区議会第三回定例会の建設委員会が開かれた。再開発問題を取り上げた陳情に対して品川区の担当官吏があれこれ答弁を繰り広げたが、そこで
「準備組合は ”権利能力なき社団” であり、いわゆる任意団体です」という説明が飛びだした。???もちろん民間の団体であることは承知していたが、改めてハッと気付いたのである。
準備組合がこれまで着々と再開発事業を進めてきたわけだが、まるで公共事業を進めているかのような面構えで説明会を行い、パンフレットを配布し、大掛かりな仕掛けを見せつけていたではないか! しまった、やられた。そんなハッタリに、私たち住民もついつい騙されてはいなかったか?と気付いたのである。
権利能力なき社団、などといきなり言われても何のことやら取っ付きにくいのだが、インターネットで調べてみると、
【権利能力を有しないため、それ自体は権利および義務の主体となりえないにもかかわらず、社団としての実質を備えて活動しており、時として社団の名において権利を有し、または義務を負うがごとき外観を生じる。】(Wikipediaより引用)ということらしい。
一寸分かりずらいが、準備組合の実態を言い得て妙なのである。
仮にとして。貴方の家にある日、突然見知らぬ男が訪ねてきてこう言う。「お住まいの建物を拝見したが、結構古いですね。今ここにハンコ押してくれたら新しいおうちに住めますよ!さあさあ、どうですか?」・・・当然、こんな話に乗る人は、ない。
『身なりはこざっぱりしているが見たこともない輩だ。話もいかにも怪しいが、何より大きなお世話だ。失礼な!』大抵の人はそう思うだろう。何故って、信用できないからだ。信用出来る訳がない。見たこともない他所者に、大事な土地や建物を任せるなんてとんでもない話なのである。
残念ながらこれを大仕掛けでやられると騙されてしまう、それが再開発事業だ。こざっぱりした人間が大勢でやってくる~こぎれいなパンフレット~デカい会場で派手な説明会~見ると品川区役所の人間も来てる~街ごと新しくなって『賑わう』のかぁ、
・・『結構な話しじゃないか!』・・
こうしてハンコでも突かされたらもう、一巻の終わりである。絵空事では無い。現実に随所で堂々とこの罠を仕掛ける組織、それが俗にいう準備組合なるシロモノだ。
本題はここから。普段なら絶対に首を縦に振らない話を何故、信じて=騙されてしまうのだろうか? 原因は二つある。
一つは「事が大きすぎる」もう一つは「行政の後ろ盾があると勘違いする」。結果、悲しいことに、これで我々素人はまんまと騙されてしまうのである。
事が大きいと気も大きくなってしまうのが我々だ。百円千円の買い物でも、できれば現物を確認して吟味したい、少しでも安くてお得な方を選びたい、などと言ってる傍らで、まだ出来てもいない何もないマンションを数千万円もの金を払って買うのである。。
再開発は更に、デカい話だ。これが次の勘違いへと発展させる。
街全体ひっくるめての話に遂に脳は危機管理能力を停止する。公共性を全面に「まちづくり」などと言われると、いかにも道路や鉄道、公園などの社会資本整備の一環のように考えてしまう。
勿論やりたがっているのは、政府をはじめ公共団体だ。しかし再開発事業そのものは紛れもない民間事業で、然もそれを行うのは貴方ということになっている。恐ろしいではないか、
貴方が身銭を切って公共のために身を投げ出さねばならぬとは
普通に攻めては上手くいかない。そこを何としても事業を実現する為に準備組合はある。何の権利もなく義務もないのに。
だから不幸にも事業が破綻し貴方が奈落へ突き落とされても彼らは責任を取ろうとはしない、何故って再開発は「貴方の事業」だから。騙された!と思った時にはもう遅い。地獄へ引き摺り込んだ張本人「準備組合」は影も形も無くなっていることだろう。そんなバカな !?! いやいや、大きな声を出されても困ります。だって彼らは、
”権利能力なき社団”なんですから。
(文:住み続けられるまちづくりをめざす品川区民の会 事務局 山中)